アラン > がんばれ、お兄ちゃん!

アラン : お兄ちゃんなんて初めて呼ばれたな……
エミリア : 私は小さい頃から兄さんで通しているしね
ジェイ : それにアランさん、当然他の妹なんていないですしね
メル : 試しにエミりゃんがおにいちゃんって呼んでみるのもいいかもね〜
エミリア : 嫌よ。気色悪い
アラン : 気色悪いってな…… まあ、俺だって呼ばれたら気持ち悪いが……
メル : ま〜、わたしもエミりゃんがおにいちゃんなんて言ってたら鳥肌立ちそうだけどね〜、あはは〜

ぶわあぁあ!!
(メルへと押し寄せる炎。放ったのは当然――)

エミリア : 中々言ってくれるわね

ばっっ!!
(メルは気功でそれを防ぎ――)

メル : いえいえ〜。それ程でも〜

(その後、二人が魔法と気功の応酬をする一方で……)

ジェイ : 妹か…… うちの愚妹をアランさんちに貸し出すってのも――

(そこでニヤリと意地悪そうに笑うジェイ)

ジェイ : 面白そうだなぁ…… と、いうわけで、馬鹿女
ケイティ : ははは! 馬鹿兄貴は喧嘩売らずに私を呼べないのかしら?

(敵意丸出しでケイティが登場)

ジェイ : うるせぇよ。それよりも、お前今からアランさんの妹な
ケイティ : はあぁあ!? 何よ、それ
ジェイ : 何でもいいっつうの。とにかく、アランさんのことは是非お兄ちゃんと呼ぶこと
アラン : ……///
ケイティ : ……何であんたにそんなこと命令されなきゃいけないのよ
ジェイ : あー、なんだ。やっぱお前なんかにゃ無理か。そーだよなぁ。お前ぇみたいな可愛げのない女が、お兄ちゃん、とか言ってみたところでキモイだけだしなぁ
ケイティ : なっ! 馬鹿にすんな! やったるわよ! やればいいんでしょ!
アラン : お、おい、ケイティ。少し落ち着け
ケイティ : 私は落ち着いてますよ、アランさ――じゃなくて、お、お兄ちゃん

(はにかんだ笑みでアランに語りかけるケイティ)
(アランは真っ赤になりながらも、何とか返事をして会話を成立させている)
(それをジェイは少し不満げに見詰め――)

ジェイ : ちぇっ。それ程おもしれぇことにもならなかったな……

(彼がそのように呟くと、戦闘行動を止めたエミリアが近づいて来た)

エミリア : 御免ね、不肖の兄のせいで
ジェイ : いや、どっちかというとうちの愚妹のせいだろうよ
メル : う〜ん…… ていうか、別に誰のせいでもないよね〜

(メルの適切なコメントに反応を示すこともなく、ジェイとエミリアもまた仲良くお喋りを始める)
(完全にあぶれた形のメルは、肩をすくめて苦笑し、カメラ画面から消える)
(カメラは残された二組のカップルをそれぞれ映し、そこで幕)