Chapter06. 題名未定(序章のみ)

 あの日あたしは、人の血の紅さを知った。
 ぶつけてもぶつけても尽きない深い憎悪を知った。
 その憎悪の元を断ったとしても、解決することなど何もないことを知った。
 憎悪の鎖は断ち切れないのだと知った。

 じゃあ、どうすればいいんだろう?
 あたしは――人はどうすればいいんだろう?
 わからない…
 それでも、そんな馬鹿なあたしでも、ひとつだけわかることがある。それは――

 幸せが儚い、うたかたの夢であること……