アパパネ

幼い頃から何とはなしに
何度も思い浮かべていた言葉。
――アパパネ。
その言葉と共に感じる想いが
どういったものなのか
僕はずっとわからなかった。

けれど先日のことである。
偶然アパパネに出逢い
その想いが何なのか分かった。
アパパネは少女であった。
僕は彼女に強い想いを――
殺意を抱いていたのだ。

そして今日、僕は彼女を殺した。
これからはきっと
アパパネを思い浮かべることは
なくなってしまうのだろう。
僕が背負っていた使命は
もう達成してしまったのだから。

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