プロローグ
〜創世〜

 一説に曰く。
 世が生まれ落ちた時、そこには神だけが存在していた。
 のちに、神の心に住まう悪が分離し、人間が生じた。
 人間の心は世に更なる悪を生み、ついには悪魔が顕現した。
 神は神界(しんかい)、人は人界(じんかい)、悪魔は魔界(まかい)にてそれぞれ生きてきた。
 しかし、悪魔は人間の心にしばしば干渉し、人界を蝕んだ。
 人界が荒むことで世界全体の存続が危ぶまれた。
 神は一計を案じて第四の存在――精霊を生み出し、彼の代行者とした。
 世界は神界と人界、魔界、精霊界(せいれいかい)の四界(しかい)から成るようになった。