コンビニにて甘い甘いお菓子を購入した少年。しかし、彼が向かった先には、甘さなど欠片もなかった。
「よぉ。よく逃げずに来たな」
ガラの悪い少年たちが、線の細い少年を睨みつけている。
ふぅ。
「今逃げて、放課後に待ち伏せでもされたら堪らないし」
「お前みてえな奴がうちのナンバー2をやったなんぞ信じちゃいねえが…… ただの噂でも無視できん。悪く思うなよ?」
「はいはい」
ぱか。
菓子箱を開け、少年はソレを1本取り出す。そして――
ドオオオオォンっっ!!
爆発が起きた。闇夜が業火で照らされる。
「なななな、何だソレは!」
「魔法」
ぽりッ。
菓子を口にしながら、少年が言い切った。
しゅッ。
ドオオオオォンっっ!!
彼がチョコレイト菓子をひと振りしたことにより、再び轟音が響く。
「……ぐっ……馬鹿、な……」
「ポッキー、舐めんなよ」
ニコリと微笑み、少年は帰路についた。